スマホやタブレットを使った学習をどう考えるか?

親野 智可等先生に聞く!子どもが伸びる3歳からの習慣 vol.7

本連載では、幼児期の子どもとの向き合い方、子どもを伸ばすための日々の取り組みについて、23年間の教師経験に基づく勉強法や子育て法を提案する人気教育評論家の親野智可等先生にお聞きします。

幼児期に大切な7つの感覚とは?

幼児期にスマホやタブレットとどう付き合うかは、極めて大事なテーマです。私は、一切使ってはいけないと極論するつもりはありませんし、上手に付き合えば親にも子どもにもメリットがあると思います。面白い動画とか知育に資するアプリや楽しい運動を促すアプリなどもありますし、何かの待ち時間にタブレットなどのゲームアプリが役立つこともありますから。

今後、デジタル学習が主流となっていく可能性もある中で、幼児期においては意識していおいた方が良い点もありますので、幼児期におけるスマホやタブレットとの上手な付き合い方、配慮すべき点をお伝えします。

幼児期には自然物、玩具、遊具などでたっぷり遊ぶことが大事です。なぜなら、手と指、そして身体全体を使って遊ぶ中で感覚統合や身体能力の発達が可能になるからです。感覚統合とは、いろいろな感覚によって脳の中に入ってくる情報を交通整理して調整する脳の機能のことです。

よく知られている人間の感覚としては、視覚、聴覚、味覚、臭覚、触覚の五感があります。その5つに固有覚と前庭覚を加えた7つの感覚を調整することを統合感覚といいます。固有覚とは、身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる感覚です。
例えば、重い石を持つときは手に力を入れ、割れやすい卵を持つときはそっと持ちますが、これは固有覚がしっかり働いているからできることなのです。そして、前庭覚とは、体の傾き、速度、回転を感じる感覚で、別名は平衡感覚です。

これら7つの感覚が脳の中でうまく交通整理されることで、私たちは様々な活動を円滑におこなうことができるわけです。交通整理がうまくできないと、特定の感覚刺激に過剰反応したり、供応動作がうまくできなかったりします。それによって、家庭や園・学校などの生活で「落ち着きがない。注意散漫」などの気になる行動が増えてしまいます。

幼児期にスマホやタブレットなどを使う時間が増え過ぎると、その分、五感、固有覚、前庭覚などを使って感覚統合する時間が減ります。実際に今の幼児は、手や指を使って砂、土、泥、水、粘土、積み木、落ち葉などで遊ぶとか、身体全体を使ってジャングルジム、シーソー、ブランコなどで遊ぶなどの時間が少なくなっているといわれています。

ということで、子どもには、7つの感覚を使う活動をたっぷりやらせてあげることを優先してください。その上で、スマホやタブレットのメリットも活かしていくという姿勢でいてください。


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親野智可等(おやの ちから)

教育評論家。本名 杉山 桂一。長年の教師経験をもとにメールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発行。具体的ですぐできるアイデアが多いと評判を呼び、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各メディアで絶賛される。また、子育て中の親たちの圧倒的な支持を得てメルマガ大賞の教育・研究部門で5年連続第1位に輝いた。読者数も4万5千人を越え、教育系メルマガとして最大規模を誇る。『「叱らない」しつけ』(PHP文庫)などベストセラー多数。人気マンガ「ドラゴン桜」の指南役としても著名。全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気。講演依頼とメルマガ登録は「親力」で検索してHPから。
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編集:コンパス編集部